アドバイスだけが仕事ではないカウンセリング

 健康相談室などで働くことを選んだ看護師は、カウンセリングを行うのも業務になります。職場によって相談を受ける相手も相談内容も異なりますが、どこでも共通するのは話を聞いてアドバイスをするという形です。相談に来る人は何か不安や悩みを抱えていて、それを打ち明ける代わりに何をしたら良いかアドバイスを求めてきます。そのため、看護師は話を聞いて必死にアドバイスを返そうと努力をすることになります。自分の知識の範囲内でできる限りの解決策を伝えたり、医師などの専門家を紹介したり、ときにはその場で文献を調べたりして対応することになるでしょう。

 しかし、必ずしもその努力が最良の解決策を提示することにつながるとは限りません。カウンセリングではアドバイスを求めていると考えてしまいがちですが、意外にそうではない場合も多いのです。相談相手が望んでいるのは悩みなどを打ち明けることだけであって、それで自己解決してしまっていることが大半を占めるケースもあります。そこで余計なアドバイスをしたために悩みが複雑になってしまうこともあるため、まずは聞きに徹するのがカウセリングの基本です。

 話を聞いて自分で解決できるように相槌を打つだけで十分なことも少なくなく、アドバイスをするか否かは相手の様子を見て判断することが安全でしょう。その方がカンセリングを受ける側も構えることなく相談しやすいからです。悩みを抱える人は必ずしもアドバイスを欲しいとは限らないため、カウンセリングを行う際は、まず話を聞くことをに重点を置くようにしましょう。